こぎん芸人行状記

砧川キヌ子のサイトでござい

青森県弘前市在住のこぎん刺し芸人・砧川キヌ子の情報を掲載しています

近況(2021.07.27)

お写真は弘前公園の外濠、市役所前からの景色です、桜の葉が青々としていて、「今のうちにどんどん光合成してまた元気に桜を咲かせておくれよ」という気持ちになります

このごろは弘前も随分暑い日が続いております、うっかりするとすぐ暑気あたりになったりとかしてまして、いやエアコンの交換工事が間に合ってよかったです

以前つけられていた20年前のエアコンでは設定温度20℃でもまだ暑かったりしてましたが、新しいエアコンなら28℃でも問題なく冷えます、大家さんほんとにありがとうございます


まあ関係ないお話を

自分にはこの、「本州の端っこ」というロケーションがつくづく性に合っていると、近頃はそんなことをよく考えます

お笑いライブのネタ見せ(オーディション)を受けようと最初に考えた頃から、私の取ってきた舞台活動のスタンスは他の芸人の方々のそれとは異なり続けており、それでもインディーズのお笑いライブに出させて貰えていたのはただ単に、お笑いというものの懐の広さ故でありました

そんなへそ曲がりなりにも筋の通る道を選ぼうとした結果として、今ここにやってきているのだと自分では考えております

ここから、スマホの画面越しに世の中のニュースを見回していると、世の中はまた何度目かの「潮目の変化」のようなものが起きているんだなあ、というような気配を感じます

今から10年以上前、インディーズのお笑いライブにテレビ局のリサーチ班の方が来ていた時期があって、その後しばらくして「いつも出ているお笑いライブの出演者の方」がちらほらとテレビに映りだしたのを見た時に、「ああ、出演者のみんなが憧れてきたテレビの向こうの世界が、とうとうあちら側から歩み寄るようになってきちゃったのだ」と、少し愕然としたような気持ちになった、ちょうどあの時のような「変化の雰囲気」が感じられます

「テレビは廃れるだろう」と世間でも長いこと言われ続けてはいますが、しかしその割には廃れ加減が随分と緩慢であるところを見るにつけ、いよいよ、エンタメ業界の余力の無さが伺い知れます

廃れ加減が緩慢、ということは、「今乗ってる船に最後まで乗り続けて一緒に沈むしかない」という層が意外に厚いということでしょう、その人達のためにとにかく延命措置を取り続けるしか手がなく改革的な対策までは手を回せない状態であると

もっともテレビ局内には「今のままで変わりたくない、変わらなくてもまだしばらく持つ」と考える層がそれでも相当数あるはずです、テレビ局も放送を商品とする「会社」なので、たとえば社風のようはものは、外からは見えにくいし、自社内で完結してるし、容易に変えられるものでも無い、その道のプロフェッショナルが多数在籍してるのでいざ変革となるとそう言った意味でも通常の企業と同様に難しい、という側面がある

そして、「ならどうすればいいか」ということを、根本的に解決できる答えを全国民に提示できる人というのももういないし、今後新たに出てくることもまず無いでしょう

今後のイメージとしては、全体的にぐずぐずと、ただなんとなくでそれぞれの興味や事情に流れていくうちにグループ化していき、それっぽく集まったところで各自楽しむ、という感じの世相になってゆくんじゃないでしょうか

もし今後に全国民が熱狂するような大きなうねりを伴うものが生まれるとしたら、たとえば全国民が等しく「ネットやテレビはこの程度に楽しんでおくものである」という暗黙ルールを肌感覚レベルで身につけるだとか、逆にメディアに洗脳され尽くされるだとか、そんなような事がないと難しいのではないかなと思われます

そう考えると、「大スターに全国民が熱狂する時代の再来」という、過去の事例を基にした目標を立てる事自体が相当な無茶だということになり、これはもっと根っこの方から考え方を大きく耕しとかないと結構な何かを見誤るぞ、ということになるわけです

寄らば大樹の陰、の、大樹が根腐れを起こしてゆくような流れが顕在化しつつあり、人口も全体的に緩やかに減ってゆくのなら、全国各地の街もまた緩やかに衰退してゆく、それを個人として眺めながら、今尽くせるベストは尽くしておこうと、好きなものを好きだとし、やっとくことをやっておき、役に立てるなら役に立つ、寝るしかないなら寝ておけばよい、そんなあたりがひとまずの落とし所なのかなと思っています、「なにか大きなものに頼る」という方針は以前より打ちづらくなるか、規模が縮小されるかのどちらかになるんじゃないでしょうか

ワタクシも、もう40歳を過ぎてますから、「どうやったら自分が世の中から報われるか」とかよりも先に、考えないといけないことがあるわけです、自分がどーのだとかよりも先に、私はこれから来る人達に「サービスする側の人」でないといけない、いつまでも「自分がー」とか言ってたところで生き様が惨めなだけなのです

もう世の中は、これから来る若い人達のものになってかないといけないのです、それがこれからの流れだからです、ここからこの後の歴史に続く流れはもう若い方々の中にあるでしょう

そりゃーワタクシも人の子ですから、「自分が報われなくてもいい」、とまでは言えませんが、それでも次に来る方のためにいい感じに整えておくような動きで暮らしておきたいところです、「全くできない」ということは流石にないはずでしょうしね、もし今後に希望があるとしたら今はそのあたりだと思うんです

若い方に直接関わるような機会はなくとも、自分の半径20mくらいをいつもほがらかにしておけば、多少世の中のお役には立つんじゃないでしょうか、まずはそこからでよござんしょうと

そういうスタンスでいる、というのにも、ほんとにこの、本州の端っこというロケーションは誠に都合がいいものであるなあと、改めてそんなことを思う次第です、すぐに辞めなきゃいけないようなものも今のところは無さそうですし、ほんとにありがたいことでありますね、今後ともあれこれ存分にやってきたいと思います


それにしても、最近のニュースを聞くにつけ東京の友達が心配です、「どうぞお元気で活動なさってください」、と、書いたところでやっぱりちょっと無責任な言葉になっちゃうような気がするのがどうも、やるせないところであります、が、まあそれはそれとして是非ともどうぞお元気でお過ごしください!またいつか遊びにまいります〜