こぎん芸人行状記

砧川キヌ子のサイトでござい

青森県弘前市在住のこぎん刺し芸人・砧川キヌ子の情報を掲載しています

先日作成した告知用画像と映像の話(モダンタイムスコロナ禍ベストネタ単独 2020-2021)

チラシと映像製作のお手伝いをさせていただいた「モダンタイムスコロナ禍ベストネタ単独 2020-2021」が2021年12月14日火曜日に無事開催されまして、大変好評のうちに終演となった模様です、配信で観ることもできたライブなので私も自宅で観ておりました、いやー見応えのあるライブでした~!

コントでももちろんたくさん笑いましたけど、ゲストさんのコーナーや映像とかも含め、ライブの端々にモダンさんのサービス精神が感じられたライブだと思いました、ほんとに全力な感じでしたねえ…皆様本当におつかれさまでした!

配信では2021年12月21日まで観られるそうなので、ご興味があるようでしたらぜひご覧くださいませ!

https://kpro-live.zaiko.io/buy/1rEA:iIp:efdca

さて毎週木曜にブログを書くことにしてますので、今回は少し詳しめに今回作った告知用画像とか映像とかの話を書いてみたいと思います

…思いますが

モダンさんとこのご依頼の製作の話を正直に全部書くといつも、どういうわけか、なんかしらの形で「公開するのがはばかられる話」みたいな感じになります、なりますが試しに全部ひととおり書いてみたいと思います

…まあそんな変な話でもないんですけどね、どーしても文体がいつも、愚痴っぽーい感じになるんですよ(笑)、悪気があるわけでも、無理やり製作をやらされてるわけでもないですので、そこはひとつご安心してお読みいただければと思います

また今回はかなり長めの話になってますので、とてもおヒマで困ってる時にお読みくださいませ

告知用画像の話

K-PROさんのサイトに掲載が必要、とのことで久方ぶりに告知用画像の製作についても依頼をいただきました

モダンさんとこからいただくこの手の依頼はいつも必ず「なにひとつ指定がない」ので毎回軽く途方に暮れます

暮れる途方をなんとかしようと先方へ「バラエティっぽいのとアートっぽいのとでどちらがよいですか?」と質問し、「アートっぽいの」との回答をたまわったため、美術館の展示のポスターでありそうな雰囲気を目指しました、目指しましたが結局『どっちでもないんじゃないか』と今でも思います、もうボツになんなけりゃなんでもいいですもう、「文字色もうちょっと工夫すればよかった」とか今さら思っても遅いですよもう

ただ、今回この画像を作る際に気をつけたことがひとつあって、「『コロナ禍』というワードが目につかない工夫をしよう」と心がけておりました

ライブのタイトルなので絶対「コロナ禍」という文字を大きめに入れることになるわけですが、普通に載せてしまうとどうも字面が怖くなってしまうんですね、これはちょっとお笑いライブの告知画像としてはよくないかなと考えたわけです

画像に使用した大部分の文字は「TA-方縦M500」という名前のフォントを使用しました、Adobeのライセンスで使用することができるデザインフォントの一つなのですが、近年はこういう珍しい形のフォントの選択肢もかなり増えてきてて大変ありがたいことです、おかげさまで楽しく作業ができます

こういうフォントだとかでいろいろごまかしてゆきつつ、さらに「モダンタイムス」の文字に目が行くように全体の比率などを調整し、アート感もまあいちおう多少出たでしょう、といったあたりで先方に送信しました、が、その際に「指示書に会場名が抜けている」というのを誰も気が付かなかったため一度そのままゴーしてしまいました、ここに載せているのは配信用URLの公開後に会場名もこそらっと追加したやつです…

あと今回は以前のようにA4の用紙に印刷するわけではなかったので、縦横比は「Instagramの縦に載せられるギリギリの割合」で作りましたが、K-PROさんのサイトに乗せる際にはもしかしたら横長の画像のほうが使い勝手がよかったかもしれません、もし次があるようならちょっとやってみようと思います

映像の話
このシーンの枠はIllustratorでパーツを一個一個並べて製作

この度も毎度同様、OP映像とED映像のご依頼をいただきました、あと追加で「SPECIAL GUEST」の煽り映像、実際は違うゲストの方が来る予定でそのフェイクなんだろうな、と思って作っておりましたが詳細は知らされてなかったので、当日配信でしらきさんに刺さってたのを観て「そーきたかー」と笑っておりました

OP映像とかの場合は毎回指示が一個だけあります、「スーパー3助さんが選曲した曲を使うこと」です

それ以外の指示は無いです、毎回ほんと途方に暮れます

一般的なところからの映像制作のご依頼の場合は「画像」とか「撮影した素材」とかをもらって作ることが多いわけですが、モダンさんのとこはそういうものを絶対いつももらえないので『全部こちらで用意する』ことになります

東京に住んでた頃は自分がめんどくさくならないように画像や映像の撮影を自分でお膳立てして素材を作ったりしてたんですが、今は青森に住んでしまったのでその手ももう使えません、試しに以前「近影とかなんとか送ってください」と頼んでみたことがありましたが想定通りに既読スルーとなりました、これからの未来においてももらえることは一生無いでしょう、わかってはおりますがもうほんとめんどくさいのやだんだってもうもう

文句言っても始まらないのでなんとか素材を作ります、引き受けたものはなんであろうとちゃんとやるようにしておりますがめんどいのがとにかくイヤで仕方がない性格なので、あの手この手でできる限りにラクをして、かついいものができあがる手法を日々研究し続けて早10年以上が経っております

20歳までパソコン全然使えなかったんですけどね、いま42歳で来月43ですから使い始めてからは逆に20年以上ということになります、今はこの技術でなんとか暮らしていけるようになっとるわけですから人生わかんないもんですよほんとに、もっと言えば当時は自分がお笑いライブに出る人間になるとも思ってませんでした、わかんないもんですほんとに

さて

今回ご指定の曲について、今回の曲は『作業が大変なパターン』の曲でした、曲によって映像の作りやすさは本当に変わってきます

例えば前回のご依頼のときは、曲の指定が「ばらの花 × ネイティブダンサー」だったんですね

ライブの開催時期が冬だったこと、歌詞に「雪」が出てきたことで、弘前で撮った夜の雪景色の動画が素材として使えたわけです、これはずいぶん助かりました

最初風景だけの映像で送ったら修正依頼が入ったので、あとからたいこちゃんを合成して事なきを得たやつ

ひるがえって今回の曲ですが、OP指定はにゃんぞぬデシの「同じ空の下どころか」という曲でした、1番の歌詞部分を使いたいとのことでした

このMVで聴いていただければおわかりかと思いますが、これ歌詞の内容が「今回のライブにもモダンのお二人にも一切関係がない」パターンなんですね、もっともめんどいやつです

「こういう映像にしてほしい」という指示がまったくないので、なんとかしてモダンさんの単独にこじつけられる映像プランを考え出さなければなりません

この作業が告知用画像のオーダー以上に途方に暮れる難しさなので、今回はひとまずなんにも決めないで「素材になりそうな画像」を作ったり探したりするところから始めました

Illustratorで「たいこちゃん」とか「カラフルな枠」とか作ったり、かわいい背景のフリー素材とかを検索で探しまくったりしながら、ゲーム実況のYouTubeを観る作業です(ゲーム実況を観ながらやるのは自分の精神をどうにか保つためです、作業効率は超絶悪いですがこうしてないとやる気が消えます)

これらの作業と並行しつつなんとか動画の尺を稼ごうと他の手も考えたところ、「モダンさんのYouTubeチャンネルの映像を素材として活用する」ことを思いつき、先方へお伺いを立てたところ「なんでもお使いください」と快諾をいただきました

ただ、快諾いただいても「動画素材を送ってくれる」わけではないため、どうにかして「YouTubeの動画を自力で入手」しないといけなくなります、もういい加減YouTubeから直接動画を取るのは法に触れるご時世ですからこの手段は取りたくないのですが、モダンさんは昔から私のことを「頼めばYouTubeのどんな動画でも取れるやつ」だと思っており、確かに私もやろうと思うとできてしまうため、ひとまず手元に素材は揃うこととなります、今回はご本人から許可を得ている本人動画だからいいだろうと思ってやるしかありませんが今後はやっぱりやりたくないなあと思ったところでまた問題があります

ダウンロードした動画素材がめちゃくちゃ画質悪いのです

すでにジャギーがかかりすぎててモザイク状(拡大推奨)
動画素材をそのまま適用したやつ(これはこれでいいのかもしれないけども、背景画像やテレビの画像の鮮明な解像度と動画素材とが違いすぎてるのが気になってしまう)

せっかく曲に合わせてポップな画像素材を準備しているので動画素材ももうちょっとポップな感じにしたいところです

なので、この素材にいろいろな加工を施してできるだけポップにかわいくみせるべく工夫をしております、手当たり次第にいろんな技を試して吟味し、いくつかの加工手法を選んで重ねがけしてゆくわけです

このシーンの最終的な工夫の内容としましては、

・動画を早回しにして数秒内でネタの内容をたくさん使えるようにする
 (タイムリマップという機能を使います)
・動画にエフェクトを掛けて『昔のディスプレイ』風の見た目にする
 (RetroDitherというプラグインを使います)
・1秒間に表示する画像をすごく少なくして(今回は1秒間に4枚)、パラパラ漫画のような効果をつける
 (ポスタリゼーション時間というエフェクトを使います)
・色の調整を行う
 (トーンカーブというエフェクトを使います)

…というのにおちつきました

これらを適用した後はまたさらに「一番いい感じのタイミングや設定はどこか」をさんざっぱら試しまくって、いい感じになったらこのシーンの完成、となります

上記サンプルのシーンは本番ではこんな感じになりました(先のサンプル動画より少し長めに切り取っています)

できうるかぎりにごまかしたやつ

そういう工夫やらアイディアやらを動画のあちこちのシーンごとに試していって、まあ全体的になんとかなったな!という感じになったらできあがり、先方に送って確認してもらう、というのが今回みたいなパターンの映像作りの流れです、おかげさまで無事に完成できてよかったです、途中結構本気で『完成できないんじゃないか』と思いました(※ゲーム実況の見過ぎ)

「告知用画像のフォントや背景素材をOP映像に流用する」というのは当初より考えてあったので、この作戦がうまいことはまってくれてよかったです、あと今回作る映像の分数指定がいつもよりだいぶ短くてその辺も大変助かりました(長ければ長いほど地獄なわけです)

…と、ここまで書いて、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、「『何も指示がない状態』で作るというけど、それなら自分とこの単独ライブで作る映像だって同じことじゃないか」というご意見もあるかと思うんですね

確かにパッと見はそうなんです、が、モダンさんとこの場合は「なんか違うなと判断された場合はやり直し」なわけです、何を気にいるかがわかんない状態でひとまず作って「大丈夫だったらOK」なので、毎回何が正解か不明なのです、以前一回だけ完全に見解が食い違ったものを作ってまるまるボツになったことがありました(作り直しました)、いつも、もーちょっとなんかヒントもらえないかなあ、と思いながら作っております

ただ、モダンさんの名誉のために申し上げますと、大概の場合は一発OKか、自分でも作りがあまかったなー(そしてめんどくさいからほっといてたなー)、みたいなところの追加修正とかだけなんですね、ちゃんとめんどくさがったところは相手にバレるのがこれまたシビアなとこなんですが(ちゃんと働かないからそうなる)、そういった寛大なご依頼体制でなかったなら、こんな10年以上もお手伝いなんてできてなかったんじゃないかと思っています

…もっともこっちだって「モダンさんここ手を抜いたな」みたいなとこはいろいろちゃーんとわかったりしますがその場合は、とくになにも起こりません(余計な口は絶対に出さないなぜならば意味のないことだから)

…めんどくさがりじゃないと上達しないもんですよ、パソコン仕事というものはですよ…そういうもんですよ…詳しくは聞かないでくだされ…

なお今回、最後に自分がひとつやばいミスをしてたことに気がつきました

今ブログを書くのに当初の映像製作の指示内容を改めて見返してみたんですが、内容をよく見たら「ED映像の曲はOP映像の曲とは別の指定があった」というのに今日ここで初めて気が付きました、「なんで納品時にそのへんの指摘が無かったんだろう」と今すごい不思議に思っているところですが、たぶん納品したED映像を観て「これでいいか」となったんだろうと思われます…真相は不明です…

……すみませんでした……ほんと気をつけます……。(…これじゃ他のところのお仕事、来なくなるよなあ…)

以上、思いついた順でいろいろ書いてまいりましたが、モダンタイムスさんのライブにいらっしゃるお客様にはいつも励みになるお言葉をいただいてまして、本当にありがたく思っております、モダンのお二方にもずいぶんと長いことお世話になっていて、まさか青森に来てまでこうして関わることができているというのはありがたい限りです、今後ともご依頼がある限りは精一杯またいろいろ作ってゆこうと思っておりますが、モダンのお二方はたとえ弘前にやって来ることがあっても私には一切連絡をなさることがないので「きっともう生身のモダンさんには二度と会うことが無いのだろう」と考えております、今後とも『連絡一本で映像が出来上がるお手軽要員』としてがんばっていきたいと思いますので、皆様どうぞ名前だけでも覚えて帰ってやってくださいませ〜よろしくお願いいたします〜

最後にワタクシゴトですがcogin+Tの方の告知を掲載いたします

今週末にcogin+Tでの最後のイベント出店があります、わずかですが新作のTシャツや消しゴムはんこもいくつか販売いたしますので、ご興味のある方はぜひ平川商工会館までお越しいただければと思います!

イベントの詳細はこちら
https://hirakawa-kankou.com/2021/12/04/nightcraft-tomobikimarche/

通販もやってますので合わせてよろしくおねがいいたします~

cogin+Tのサイトはこちら
https://www.cogin-t.shop/

それではまた来週の木曜日に書きますね、ありがとうございました!