青森県弘前市在住のこぎん刺し芸人・砧川キヌ子のブログ

確定申告をマネーフォワードとClaude Codeでぶんまわした話

青色申告を行い続けて十余年、毎年毎年「なんとかラクにならんか」と様々な工夫をしております

今年は、以前から採用していた「マネーフォワードME」「マネーフォワード クラウド確定申告」を使用する方法に、「Claude Code」を組み込む方法を試しました

最終的にはなんとかなりましたが、なんとかなるまでに4日間丸々戦うこととなったので、そこで得た知見を共有します、そしてどなたかの業務改善の肥やしになれば幸いであると思う次第です

ここに記載された方法を「自分所の確定申告に活かせるか試したい」と思う方は、記事を読んでいただくのもよろしいのですが、「この記事のURLをClaude Codeに渡して「この記事の内容が確定申告の役に立つかどうか確認して」と依頼」した方がいいかもわかりません

皆様の確定申告がラクになる助けになればと思います

作戦

「マネーフォワードMEに全てのお金の記録をつける」

  • 個人用、事業用の全てのやり取りを入力し、月ごとにCSVでダウンロードする

「Claude CodeでCSV、請求書などのファイル全般をチェックし、インポート用CSVを作成」

  • 先に作業用フォルダと引き継ぎ用ファイルを作成し、「引き継ぎ用ファイルを更新して」と都度指示しながら作業する
  • 作業用フォルダ内にMF MEのCSVや請求書、利用明細等のファイルを全て保存する
  • Claude Codeで各ファイルの調査を依頼し、入力漏れや不整合の有無を調査、支払調書や請求書のファイルもそのまま渡してチェック
  • 「詳しく指示する」よりも、「必要な作業はなにか」「気になる点はあるか」「欠けている情報はなにか」と問いかけて、Claude Codeに相談しながら進めるとラク

「CSVインポート後、マネーフォワード クラウド確定申告でxtxファイルを作成」

  • 口座連携を設定している場合は、未仕訳を一旦全て登録したあと全消しする
  • Claude Codeで作成したインポート用CSVをインポートしたあと、家事按分と決算仕訳の操作を実施
  • 作業後の仕訳帳をCSVでダウンロードし、Claude Codeで再度調査(口座の残高照合等)
  • 仕訳帳が完成したら確定申告書画面から操作を行い、提出用ファイル(.xtx)を生成

「e-taxで提出」

  • クラウド確定申告で作成したxtxファイルをe-taxで提出する
  • 提出後は必ずe-taxのメッセージボックスを確認する(ここに数日間なにも到着しない場合は送信に失敗している可能性あり)

マネーフォワード MEについて

マネーフォワードMEに、個人のお金、業務のお金の全てのやり取りを記録しておきます。

スマートフォンアプリやPCから操作ができるので都度入力が簡単なのと、現金以外のデータ(口座、クレジットカード、電子マネー等)は自動連携ができるので費目をチェックするだけで済みます。

現金を個人用・事業用で明確に分ける

  • 現金管理を複数設定できるので「事業用現金」「個人用現金」を設定する
  • 事業用現金で個人の買い物をしたり、個人用現金で経費になる買い物をするとAIを使っても計上漏れになる可能性が高くなるので注意(ME上で「振替」を実行するか、それぞれの財布内の現金を移動させておく)

口座、クレジットカード、電子マネーは個人用・事業用で使用するサービス自体を変える

  • 個人用はA銀行、事業用はB銀行、という感じで「判断が単純にできる」形で運用することで計上漏れを防げる

MEの中項目・小項目に「事業用」の費目を登録する

  • 「中項目が『事業用』ならすべて経費」という判断ができるようにしておけばAIですぐ集計ができる

「内容」「メモ」欄をきちんと入力しておく(特に事業用現金)

  • 現金は手入力になるので「内容」を入れておかないとAIでの集計がしづらくなる、自分でも忘れてしまうため記憶が新しいうちに入力しておく
  • 自動連携の取得データだけではわからない情報は「メモ」に残す

月ごとのCSVはClaudeの拡張機能をChromeに入れるとある程度自動で保存操作をしてくれる

  • Claudeの拡張機能は最初に手順を教えると繰り返しの操作を自動化できるのでだいぶラクにCSVに出力できるようになる

Claude Codeについて

Claude Codeは、ターミナルで動くAIコーディングツールです。PC上にあるファイルを直接読み込んだり操作したりできるため、CSVの加工や調査を依頼できます。

VS CodeとAnthropic社が出している拡張機能を導入すると、チャットで指示をすることができます。

https://code.claude.com/docs/ja/vs-code

作業用フォルダを作り、年度別にファイルを保存する

  • MF MEのCSV、請求書PDF、銀行明細などを年度フォルダにまとめる
カテゴリ 集めるファイル 補足
MF MEの収支CSV(必須) 月別CSV 12ファイル(1月〜12月) MF MEアプリまたはWebから月別にCSVをダウンロードする
請求書PDF 発行した請求書すべて(取引先別フォルダに整理) ファイル名の先頭に請求書番号をつけておくと、Claude Codeが売掛金の仕訳を作るときに使える
支払調書 取引先から届いた支払調書(源泉徴収の証明) 源泉徴収税額の還付申請に必要。届いたらすぐにフォルダへ
クレジットカード明細PDF カード会社サイトから月別明細PDF(12ファイル) 自動連携だけでは拾えない取引(ポイント決済・ギフト券決済等)の照合に使う
銀行の取引明細 借入金の取引明細(スクリーンショットでOK) 毎月の返済額の元金・利息の内訳がわかる画面をキャプチャ。Claude Codeが画像を読み取って仕訳を作れる
年度中の新規借入の記録 ネット借入は銀行の自動連携に出ないことがあるので、取引明細を別途確認しておく
固定費の証憑(月別) 家賃の受取証明書・電気代の料金画面・携帯電話の料金内訳など Webマイページからダウンロードまたはスクリーンショットで保存。家事按分の根拠資料にもなる
棚卸し関連(物販がある場合) POSレジの販売サマリーCSVと商品マスタCSV 年間の販売数量と商品単価がわかるデータ
現物棚卸しの結果 12月末時点の在庫数を数えた記録。手書きメモやスプレッドシートでOK
家事按分の根拠資料 自動車の走行距離ログ 事業用走行距離の割合を算出するための記録
Googleカレンダーのエクスポート(ICSファイル) 事業の稼働日数を算出する根拠として使える
MFクラウド確定申告からのエクスポート 取引先マスタCSV インボイス番号を仕訳帳に一括反映するときに使う
勘定科目一覧CSV Claude Codeが正しい勘定科目名で仕訳を作るための参照データ
仕訳帳(CSVファイル)のサンプルフォーマット 仕訳帳>インポート>「サンプルフォーマットをダウンロード」から取得。Claude Codeがインポート用CSVを正しい列構成で出力するための雛形

VS Codeの「フォルダーを開く」で作業用フォルダを開く

  • ここで作業用フォルダを開いておくことで、フォルダ内のファイルをAIで操作できるようになる
  • チャットで「フォルダを整理して」と依頼するとフォルダを作成してファイルを整理してもらえる

引き継ぎ用ファイルの作成をチャットで依頼し、今後こまめに更新を指示する

  • 最初に「税務の知識や来年度以降に引き継ぐべきルールを記載するための資料を作成してください」とチャットで依頼すると引き継ぎ用資料を生成してくれる
  • 今後の作業ではこまめに「ルール化できる点があれば来年に引き継げるようにしてください」等の指示をチャットで送信し、資料を更新しながら進める

保存したファイルの調査をチャットで依頼する

  • 「あなたは個人事業主の確定申告や税務調査について習熟した税理士です。2025フォルダ内のファイルについて調査し、マネーフォワード クラウド確定申告のインポート用仕訳帳.csvを作成してください」と指示すると、フォルダ内の調査を行いCSVファイルを出力してくれる
  • Planモードに切り替えて実施するのがおすすめ(詳細はClaude CodeのPlanモードについて調べてみてください https://qiita.com/NaokiIshimura/items/5fcc70c0a133c1d29ca5

作成したインポートCSVについて確認作業を繰り返し実施、引き継ぎ用ファイルを更新する

  • 視点や範囲を変えて調査を依頼し(「請求書のチェックをして」「不明な経費を探して」等)、インポート用CSVを加工してゆく
  • 1つ加工を行う事に引き継ぎ用ファイルの更新をチャットで指示することで、来年以降にも使用できるインポートCSV作成用ルールが出来上がっていく

インポートCSVの最終調整

  • 家事按分はMFクラウド確定申告で決算仕訳として設定するので、インポートCSVには含めない
  • 期首棚卸残高、期末棚卸残高の仕訳はClaude Codeで作成しても構わないが、インポート後にMFクラウド確定申告上で「決算仕訳」のチェックを手動で付けること
  • メモ列に改行が入っているとインポート時にエラーとなるのでClaude Codeで除去を依頼しておく

前年度にMFクラウド確定申告を使用していた場合の注意点

  • 開始残高はMFクラウド確定申告の「次年度更新」で作成するので、インポートCSVに含めないように指示する

今回の作業で作成したルールの資料(mdファイル)

※汎用的な内容に調整しています。年度内フォルダに保存すると調査に含めて使用できます。

ファイル 内容
tax-rules.md 仕訳・税務・MF ME照合・ハマりポイント集
lessons-learned.md 良いルール・失敗パターン・反省と学び

AIに依頼した内容の例

※プロンプトは必要に応じて「必要な情報を説明する」「目的を伝える」という形で調整します。

カテゴリ 依頼できる作業 プロンプトの例
仕訳データの作成・加工 銀行明細やクレジットカード明細から、会計ソフト(MFクラウド確定申告等)にインポートできる仕訳帳CSVを作成 「この銀行明細CSVから、MFクラウドにインポートできる仕訳帳CSVを作って」
複合仕訳(借入金返済の元金・利息分離など)の正しい仕訳パターンを提示・CSV化 「借入金の返済で毎月5万円引き落とされてるんだけど、元金と利息に分けた仕訳を作って」
勘定科目・補助科目・部門・税区分・インボイス番号の設定を相談しながら決定 「Amazon で買った事務用品、勘定科目は消耗品費でいい?税区分はどうすればいい?」
追加仕訳CSVの作成(計上漏れ発覚時の差分追加) 「計上漏れが3件見つかったので、取引No.100から続きの追加仕訳CSVを作って」
データの照合・チェック 家計簿アプリ(マネーフォワード ME等)の収支データと仕訳帳を突合し、計上漏れを検出 「MF MEの収支CSVと仕訳帳を照合して、仕訳帳にない取引を抽出して」
口座間振替(事業主貸/事業主借)の漏れチェック 「事業口座から個人口座への振込が仕訳帳に全部入ってるか確認して」
支払調書と仕訳の3点セット照合(売掛金計上・入金・源泉税) 「この支払調書の金額と、仕訳帳の売掛金計上・入金・源泉税が一致してるか確認して」
普通預金の帳簿残高と実際の銀行残高の一致確認 「仕訳帳から口座別の残高を計算して、実際の残高と合ってるか確認して」
仕訳を部門(事業区分)ごとに分類し、部門別の損益を把握 「仕訳帳の各取引を事業の部門ごとに振り分けて」
税務調査対策レビュー 仕訳帳全体を税務調査の観点でレビューし、チェック項目を一覧化 「今年の仕訳帳を税務調査で突っ込まれそうな観点でレビューして」
問題箇所の洗い出しと修正方針の提示 「レビュー結果の問題箇所について、それぞれどう修正すべきか提案して」
修正後の再チェック 「修正した仕訳帳をもう一度チェックして、まだ問題が残ってないか確認して」
Pythonスクリプトの作成 CSV読み込み・変換・照合用スクリプトの作成(エンコーディング変換含む) 「Shift-JISの銀行明細CSVを読み込んで、仕訳帳の形式に変換するスクリプトを作って」
銀行明細とクレジットカード明細の自動マッチング処理 「銀行明細とカード明細を日付と金額で自動マッチングするスクリプトを作って」
メールファイル(eml)の一括解析による経費抽出 「通信会社からの請求メール(eml)をまとめて解析して、月別の金額を抽出して」
確定申告書類のレビュー 決算書・申告書の数値整合性チェック(月別売上合計、売上先明細合計等) 「決算書の月別売上合計と売上先明細の合計が一致してるか確認して」
貸借対照表の残高確認 「貸借対照表の普通預金残高が実際の残高と合ってるか確認して」
所得控除(社会保険料・生命保険料・基礎控除等)の妥当性チェック 「申告書の所得控除の金額が正しいか、控除証明書と照らし合わせて確認して」
消費税の特例適用(2割特例・簡易課税)の判断サポート 「2割特例と簡易課税、自分の場合はどっちが有利か比較して」
棚卸資産の計上 在庫データから棚卸仕訳(期首商品棚卸高・期末商品棚卸高)の作成 「期末の在庫リストから棚卸仕訳のCSVを作って」
POSデータの信頼性が低い場合の、現物棚卸しからの逆算方式の提案 「POSの在庫データが正確じゃないんだけど、棚卸しの金額をどう出せばいい?」
証憑・資料の整理支援 請求書・支払調書・銀行明細などの整理方法の提案 「請求書や領収書のファイル整理、どういうフォルダ構成がいい?」
確定申告に必要な資料のチェックリスト作成 「確定申告に必要な書類のチェックリストを作って」
大量の確認事項をExcel形式で整理し、入力欄付きで出力 「確認が必要な取引50件をExcelにまとめて、回答欄付きで出力して」
税務知識の相談 勘定科目の判断に迷う取引の相談(家事按分、事業主貸/借の使い分け等) 「自宅兼事務所の電気代、家事按分の割合はどう決めればいい?」
インボイス制度・2割特例・簡易課税などの制度解説 「インボイスの2割特例っていつまで使えるの?届出は必要?」
(難しいことを聞くときは「高校生でもわかるように解説して」追加すると詳しく説明してくれる)
次年度に向けた改善提案(四半期チェック体制の構築など) 「来年の確定申告に向けて、資料をまとめて、運用を提案して」

マネーフォワード クラウド確定申告について

MFクラウド確定申告は、仕訳帳のデータから確定申告書類(青色申告決算書・確定申告書)を作成するクラウドサービスです。

CSVで仕訳帳をインポートできるので、Claude Codeで作った仕訳帳CSVをそのまま取り込んで、決算書・申告書の出力まで進められます。

口座連携を行っている場合は「一旦取り込んだあとに全部消す」

  • 自動的に読み込まれて「未仕訳」となっている仕訳を一旦全てそのまま登録し、「会計帳簿」>「帳簿管理」で仕訳帳の全消しをしてからインポートする

インポート時に知らない画面が出たら「スクリーンショットを撮って質問する」

  • スクリーンショット画像をチャット画面に直接貼り付けて質問することができるので調査を依頼すれば解決方法を教えてくれる

仕訳帳にインポートCSVを反映させたあと、残高照合をClaude Codeに依頼する

  • Claude Codeで作成したCSVをインポートしたあと、「取引管理」>「残高照合」の画面で不一致が出ているかを確認
  • 不一致がある場合はスクリーンショットを撮って質問し、解消するまで質問する(MF MEのcsvに立ち戻って調査するように指示すると早く解決しやすい)

家事按分、決算仕訳の操作を行う

  • インポート後に「決算・報告」>「家事按分」の画面から設定を行って一括登録を実施
  • 期首棚卸残高、期末棚卸残高の決算仕訳のチェックを入れる

決算仕訳を入れたあとのCSVをエクスポートし、Claude Codeで再度調査を依頼する

  • 最終確認として、MFクラウド確定申告上の仕訳帳をエクスポートし、Claude Codeに不整合点がないかの調査を依頼する

仕訳帳が完成したら青色申告用の電子ファイルを作成する

  • 「決算・報告」>「確定申告書」から青色申告の作成を進め、xtxファイルをダウンロードする

e-taxについて

e-Taxは、国税庁が提供する電子申告・納税システムです。確定申告書を税務署に行かずにオンラインで提出できます。

MFクラウド確定申告から出力したxtxファイルを読み込んで送信するだけなので、書類の手書きや郵送は不要です。

提出についてはこちらのリンクをご覧ください。

https://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/e-taxweb/49.htm

与太話

私個人は青色申告を始めた当初から「マイナンバーカード」「ICカードリーダー」「デスクトップ版e-tax」での提出操作をしているのですが、正直すんごいとっつきづらい画面であるため、皆様には上記リンク先の提出方法をおすすめする次第です

以前一度だけ、MFクラウド確定申告で青色申告の提出まで進めようとしたことがありまして、このときにどうやら送信に失敗していたらしく、あとから税務署から連絡が来てしまったんですね、なので「この先は何があろうとデスクトップ版e-taxで送ろう」と決めております

おまけ

今回、「車の走行距離で車両関連費の家事按分を計算しよう」と思い、スマホアプリに表示される月ごとの走行距離レポート(エクスポート機能なし)をひたすら動画でスクショして、その動画から集計を算出してほしいと依頼したところPythonのツールをこさえてくれました

最終的にはどうにか集計できたんですが、妙にツールの作成に時間がかかる&精度が悪いという状態だったので、全く知識がない状態で無茶振りするのはよくないのかもしれないと思いました